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檜原村探訪05: 東京都の無形民俗文化財を見にいこう。九月が狙い目の檜原村の祭り #tokyo島旅山旅

車でちょうど檜原村についたとき、警察官による交通の誘導があって、勇壮な山車が細い路地から姿を表わすところでした。9月の中旬、村は祭りの季節だったのです。

私が通りすぎたのは檜原村でも中心部にあたる本宿(もとしゅく)地区にある春日大社の祭礼です。調べてみれば、本宿神田囃子(もとしゅくかんだばやし)というものだそうです。

明治30年ごろまであった三匹獅子舞と、そのころから始めた囃子も廃絶状態になっていたため、それらの代替えと、昭和天皇の即位式当日に奉祝行事を目的として上演するようになった。昭和3年2月初旬から上元郷自治会と合同で練習を始めたのが始まりです。(檜原村史参照)

昭和天皇の即位が契機で始まった囃子だったとは、驚きました。こうした祭りというのはどれもはるか昔から伝わっているものなのかと思っていましたが、今でいう「フェス」のように、なにかのきっかけに新しい伝統が始まったり、古い伝統に新しい命が吹き込まれたりするのですね。

Masatake Horiさん(@mehori)が投稿した動画

とても気になったので、囃子の音を頼りに山車を走って追いかけて、しばらくその様子にみとれていました。このとき太鼓を担当していたのは小学3年生の子だったそうですよ。

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ちょっと気になったのが山車の側面のこの木彫の絵。天使!?なぜ天使のような造形なのだろう。仏教の童子がこうした形で表象されるのはきいたことがありますが…このあたりは詳しくないのでぜひまたの機会に調べてみたいところです。

上元郷自治会と合同で、と上の解説にもあるように、夜になると二つの集落の山車が出会って競い合うように囃子が行われる様子が早速YouTubeにアップロードされていました。ああ、深い夜に浮かび上がる灯火の美しさに太鼓の勇ましさ。笛の音と鉦(かね)の音、時折あがるかけ声に心が高ぶる感じ。これは生で見たかったなあ。

指定無形文化財が複数存在する、東京の祭り

この本宿神田囃子は都の指定はうけていませんが、檜原村には指定無形文化財が複数存在します。大きくわけると、能芸に属する「式三番(しきさんば)」、神楽に属する「神代神楽(じんだいかぐら)」、そして獅子舞があり、その多くが9月に集中しています。

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なかでも見どころなのが数馬地区の九頭龍神社で同じ日に行われる「太神楽(だいかぐら)」、「数馬獅子舞」、「馬鹿面囃子(ばかめんばやし)」です。写真では9月15, 16日とありますが、近年では人が集まらないので直近の週末にするなど、祭りも変わってきているそうです。

今回の旅ではちょうど前の週に終わったばかりだったそうで残念でしたが、またこうした祭りを狙って訪問するのも良さそうです。それこそ、檜原村に宿泊する理由に、夜の祭りを加えてもいいのではないでしょうか。

伝統芸能の来歴をみていると、「明治期に衰退したが昭和に別の地域から教えてくれる人を招いて復活」といった記述が目立ちます。伝統はただ続いているのではなく、時代とともに廃れ、復活し、また伝えられてゆくものだというリアルさが見て取れます。

伝統芸能はその地元の人のものですが、それを旅人である私たちが拝見し、こうして記録してゆくことにもきっと意味はあるのでしょう。檜原村、東京近郊の人なら決して遠い場所ではありませんので、祭りの季節にはカレンダーをにらんで立ち寄ってみてください。

(追伸)

祭りや伝統芸能がいつ行われているのかは、なかなかホームページ上では確たる情報は得にくいようです。気になる方は、9月上旬頃に檜原村に直接電話してきいてみると、正確な情報が得られるかもしれません。

「tokyo reporter 島旅&山旅」について

東京都の観光PR事業の招待で、東京都檜原村の取材をしています。tokyo reporter島旅&山旅についてはこちらのサイトを御覧ください。

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