湖と星空と素朴なアウトドアを楽しめるジャスパーの魅力 #アルバータ秋旅 #カナダ #MyJasper

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ジャスパー(Jasper)とは英語で「碧玉」を意味する言葉です。

バンクーバーから20時間、VIA鉄道最初の停車駅でもあるジャスパーは、ジャスパー国立公園のなかにある小さな町です。

観光地で有名なバンフをつなぐ93号線「アイスフィールド・パークウェイ」の北の開始点として「氷河観光の街」、そして光害の少ないことから星空観察に向いている「星空の街」としても知られています。

カナディアンロッキーを目指す際、東のエドモントンやカルガリーといった街からバスでバンフに向かうことが多いのですが、この場合はなかなかこの北の街、ジャスパーまでは足を伸ばすことがありません。

しかし逆にジャスパーを開始点にして、南にたどるという楽しみ方もあるのですね。今回の旅ではこの「北から南」のルートを満喫することになりました。

ジャスパーという町

歴史上ジャスパーが初めて登場するのは、1813年、モントリオールを中心に毛皮の流通を行っていた北西会社(North West Company)の前哨基地としてでした。

地図をみていただくとわかるのですが、北にピラミッド山、南東にマリン・リッジ(Malign Ridge)の3000m級の峰々、南西はインディアン・リッジという山に囲まれたアサバスカ渓谷に位置しているジャスパーは、アサバスカ川とマイエット川の交差する豊かな土地で、入植地としては自然な選択肢だったといえます。こういう場所は自然に豊かになるんですよね。

ジャスパーの町中

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駅を降りると目の前にジャスパーのメインストリートが広がっています。車もたくさん通行しているので大きな町なのかと思うのですが、実は混雑しているのはこの数百mだけで、とてもコンパクトなのだそうです。

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ドラッグストアやファーストフードのお店もちらほらと見かけます。

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もちろん土産物屋さんも。地元の革製品、工芸品、石細工や先住民族のアートなどがところ狭しと並んでいます。

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一番目立っていたホテルがこちら、アサバスカ・ホテルです。20世紀初頭のころ、ちょうどこの鉄道駅が鉄道会社の重役の名前をとったフィッツヒュー(Fitzhugh)からジャスパーに変わった頃、ここは八百屋の二階を旅人に貸すことから始まったホテルでした。

地元の人には “Atha-B” のあだ名で呼ばれているこの建物はその後何度も改修を経ながらも、いまも当初の面影を残しているそうです。

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町中でみかけたものの中で面白かったのがこちら。ふつうのゴミ箱なのですが、蓋に工夫が施されています。

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蓋を持ち上げる部分にただ手を差し込むのではなく、奥にある金属板を指で持ち上げないと蓋が開かないようになっているのです。

これはグリズリーなどの熊が市街地にまで降りてきてゴミをあさらないようにとられている工夫で、これからカナディアンロッキー中でこの方式のゴミ箱をみることができました。

日常のなかに自然がとけこんでいるのが、こうした所から見えてきます。

幻の巨大戦艦が建造されていたパトリシア湖

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ガイドさんと合流した私たちはさっそくジャスパー付近の湖へと案内していただきました。その一つがこちらパトリシア湖(Patricia Lake)です。

周囲には宿泊施設に使われているバンガローが点在して、カヌーやダイビングなどをここで楽しむことができます。とてもひっそりとしていますので、自然に囲まれて静かにアウトドアを楽しみたい人には最適かもしれません。

ここでは第二次世界大戦のころ、氷で戦艦をつくるという「プロジェクト・ハバクク」(Project Habakkuk)の実験場となっていました。

「なんで氷で戦艦を…」と思われるかもしれませんが、戦争の需要を満たすほどの鉄を生産する困難に比べたら、ひょっとして強度を高めた氷を使えば素早く浮沈戦艦がつくれるのではないかという発想だったようです。

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使うのは単純な氷ではなく、14%ほどおが屑などを混ぜることによってさらに強度を高めたパイクリート(Pykrete)を使うつもりだったそうですが、実際に作ってみると強度を保つためには装甲に断熱材を使い、内部に冷却施設を用意しなければいけないということがわかり、そこでそうした大規模な戦艦を高速に作れるかが、このパトリシア湖で行われたそうです。

作ること自体は可能だったようですが、戦時中の要求が次第に過大になり、「魚雷に耐えられなくてはいけない」→「厚みが12m必要」、「10000kmを航行して当時記録されていた最大波高にも耐えられるようにせよ」→ 「これほどの船を操作できるラダーが未開発」といったことをしているうちに、プロジェクトは立ち消えになったそうです。

プロジェクト・ハバククの名前は旧約聖書のハバクク書の一節、「大いに驚くがよい。お前たちの生きている間にあることが成し遂げられるが、それが何かを告げられたとしても、きっとお前たちには信じられまい」から来ているそうです。

実現すればよかったのに、本当に惜しい。

星空の降るプラミッド湖

訪問したもう一つの湖は、ピラミッド山が遠望できる小島があるピラミッド湖です。

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こうした橋をわたって小島に渡ります。

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島には小さなあづまやがありますが、これは1930年代から使用されていて、いまでは歴史的史跡としても指定されているのだそうです。カナダの歴史は開拓の歴史でもある、その証人ですね。

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この日はあいにく雨が降り始めていましたので、ピラミッド山を見ることはできませんでした。しかし晴れている日なら、ここから人工衛星をいくつも肉眼で数えることができるほどの星空に恵まれるのだそうです。

ジャスパーは Dark Sky Preserve、つまりは「暗い夜の保存区域としても指定されていて、観光資源として夜の空が明るくならないように管理が行われているそうです。

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こうしたこともあって、毎年ジャスパーではダーク・スカイ・フェスティバル(Dark Sky Festival)が行われ、宇宙飛行士などのゲストを迎えて天文ファンのツアーが各種行われます。

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今年の期間は10月の17日から26日。もう雪が降っている寒さのはずですが、これはいつか望遠鏡をかかえてぜひ行ってみたい!

ジャスパーで天体観測をするメリットとしては、たとえ天候に恵まれていなくても、氷河観光やハイキングなど、家族で楽しめるアクティビティの選択肢がたくさんあることですね。

ジャスパーを観光の基点に

こうしてみれば見るほど、ジャスパーはただの経由地点ではなくて、宿泊してアクティビティを楽しむ場所として魅力的です。

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カジュアルなアウトドアを楽しむ人には何十ものハイキング道がありますので、毎日散策をしてもすべてを辿れないほどの選択肢があります。

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それなりの町の規模がありますので、外食にも困りません。小さい町ですから、すべてが楽にアクセスできますね。

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パトリシア湖、ピラミッド湖以外にも、もっとこじんまりとした湖は複数存在しますので、町中に宿泊せずにそちらのバンガローを予約するという選択肢もあります。

町の南にはゴンドラが運行されているウィスラー山もありますし、子供向けの体験プログラムも各種あるそうです。ところでウィスラー山についてはこんなネタも(笑)。

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もちろん冬は冬でスキー、クロスカントリーなどを楽しめます。

ジャスパーの町を気に入ったのは、なによりそのこじんまりとした素朴さです。人も大勢つめかけていない、落ち着いた雰囲気で休暇を過ごしたい人には最適かもしれません。

気になった人は、ぜひジャスパーのホームページからさらに詳細な情報を集めて下さい。

碧玉のような星空降る町、ジャスパー。また訪問したい場所が増えました!

今回のアルバータ州訪問レポートについて

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アルバータ州観光公社の依頼を受けたネタフルのコグレマサトさん(@kogure)のお誘いで参加しています。アルバータ州観光公社には渡航費、宿泊、現地での案内をお世話していただいています。記事の内容はすべて私(@mehori)の見たまま、感じたままに書かせていただいています。Thank you Alberta!

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