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日本の近代史を一望できる東京湾の無人島。横須賀イングレス・ブロガーツアー (2) 猿島

猿島は、横須賀市の沖合2km弱という至近に存在する東京湾内で最大の無人島です。幕末から第二次世界大戦前までは、首都の海からの防衛戦として、国内初の台場、つまりは砲台が建設されました。

横須賀の街を歩いていて、ここがかつての軍港であったことをしのばせるものはそれほど多くはありません。しかしここは違います。島いっぱいに、かつての要塞跡、砲台跡などが存在し、踏み込むだけで歴史の流れが押し寄せてくるのです。

横須賀市主催のイングレス・ブロガーツアー、第2回はこの無人島猿島を紹介します。

三笠桟橋から30分、無人島猿島に到着

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猿島へは、三笠公園の一角にある三笠桟橋から出稿しているフェリーを使って30分程度で渡ることができます。ただし、冬季は週末・祝日のみ運航ですので注意が必要です。

今回の横須賀市のキャンペーンでは、2月末までの限定期間中、イングレスのスキャナーを見せると運賃が半額になります(レベル2に到達していることが条件)。

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こちらが株式会社トライアングルが運行しているフェリー。猿島では予約制でバーベキューを楽しむこともでき夏場はかなりの人気スポットとなっています。

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桟橋から出港すると、みるみる島が近づいてきます。三浦半島の海岸には崖が数多く存在しますが、猿島もまた例外ではなく、島の周囲は断崖となっています。

監獄島として有名な、サンフランシスコのアルカトラズ島にも似た風景です。本当に天然の要塞といっていいでしょう。

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猿島に渡ると、最初の看板からして、ポータルとなっていますので、参加者はまだ停泊する前から大人げなく取り合いを始めます。大の大人が実に楽しそう(笑)

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こんもりとした木々に潜むようなレンガ造りの建物たち。ここには兵舎跡が、ここには弾薬庫跡がと、看板がかつての様子を教えてくれます。

しかしなんの説明もなくとも、島の奥に踏み込むほどに、過去へとさかのぼるあの感覚に包み込まれていきます。

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すべて手で積み上げた煉瓦のトンネル。トンネルの先は、幕末から明治につながっていると言われても信じられる雰囲気が伝わってきます。

かつてこの国が大きな変化のただなかにあった時代、この場所にはどれだけの兵士が帝都の防衛のために暮らしていたのでしょうか? 彼らはどんな思いで、この場所の防衛をしていたのでしょうか?

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猿島の魅力の一つが要塞と木の交じり合った風景ですが、もう一つ、苔愛好家にとっては要塞の壁一面に歴史を帯びた苔が密生しているのを楽しむことができるポイントでもあります。いい、すごくいいです。

この付近には鎌倉という、苔愛好家にはたまらない地域がありますが、横須賀の猿島もぜひ注目していただきたいところ。

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かつての砲台跡。

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猿島にはいくつか伝説がありますが、こちらはその一つ、日蓮上人が漂着したという伝説の残る日蓮洞のそばの海岸です。

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こちらは初代仮面ライダーに登場するショッカーの秘密基地のロケ地に使われた展望台。こんなところにまで撮影にきていたのですね。

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歴史を満喫しつつも、参加者たちは島中のポータルを争い、船が出発する時間ぎりぎりまで島中を駆けまわっていました。

私はというと、実はこの島のポータルのうち2箇所の座標がずれていて危険な崖側に存在するので、それを説明して修正案を申請するために使える写真を撮ろうと場所を探していました。

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猿島でチャレンジできるのがこちらのミッション。GPSが不安定であるかもしれないので、ミッションをクリアするために条件としたポータルの数はそれほど多くないのが特徴です。上陸してちょっと歩き回りさえすれば、完了することでしょう。

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猿島それ自体もとても楽しいのですが、やはりここを訪れる人に感じてほしいのが、この島から横須賀を振り返ってみた時のこの風景です。

近代的なビルが立ち並び、いまもマンションの建設が進められている横須賀。しかし、かつてここは、それほど歴史にも登場しない、浦賀水道に面した寂しい土地でした。

しかし黒船が来航し、歴史が大きく動くと、ここは横須賀製鉄所、横須賀鎮守府が設置され、国防の要衝として近代化を果たします。その後、大日本海軍の拠点となり、戦後はアメリカ米軍基地が設置されるところまでふくめると、横須賀は日本の近代史そのものを内包した街ともいえるのです。

そしてその全てが、この風景にあるのです。背後に存在する、幕末から明治期の時代のまま取り残された要塞から、いまも進化しつつある街の風景へのつらなり。こんなことも、ここにポータルがあって、ここを訪れるきっかけがなかったなら感じなかったことかもしれません。

これから日本はどうなってゆくのでしょうか? 10年後、50年後、100年後、この島からの風景はどのように変化しているのでしょうか? ぜひ多くの人が猿島におとずれ、この風景から日本の来し方行く末を感じてほしいと思いました。

さて、ブロガーツアーはここからもう一度三笠桟橋に戻り、最後に記念艦「三笠」の見学を行います。