ライフ×メモ

ドナルド・トランプ共和党候補の名前を「ドランフ」に変えてしまう拡張機能とその理由

アメリカ大統領選の候補者選びが佳境に差し掛かっていて、日に日に面白くなっています。それとも、日に日に恐ろしくなっているというべきでしょうか。

というのも、大金持ちで、大言壮語と差別的な発言で大統領選のメディアをいわばハイジャックしているドナルド・トランプ共和党候補がすでにニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネバダ州の3つの党員集会で勝利を納め、スーパー・チューズデーの多くの州でも優勢が伝えられているからです。まさか、トランプ氏を大統領候補として扱う日が来てしまうのでしょうか…。

これに対して、とてもおもしろい反応がコメディアンのJohn Oliver氏からやってきています。しかもChrome拡張のダウンロード付きという念の入れようです。

Drumpf を Drumpf に変える

John Oliver 氏は多少品の悪いジョークも混ぜつつ、それでも多くは事実に基づいてコメンタリーを出しますので、政治的風刺では一級の面白さを誇ります。

そんな彼が全力をあげて22分間にわたってトランプ氏の実績と過剰な物言いを全否定してゆく様子は、認めましょう、それだけで実に心地よい満足を与えてくれます。

トランプ氏が成功者であるかをデータから引き裂き、彼の大言壮語を事実に基いて屠ったあとで、彼は最終的にトランプ氏をどのようにすれば影響力をそぐことができるかについて一つ提案をします。

つまり、トランプ氏の魔法のひとつは、そのネームバリューにあるので、それを変えてしまえばいいというわけです。Gwenda Blairによるトランプ家の歴史によれば、家系図をたどるとDrumpfの名前は三十年戦争時代の間に Drumpf から変わったものだとされています。

Oliver 氏はそれを使って、彼をトランプと呼ばずに、ドランフと呼ぼうというウェブサイトまで立ち上げ、そこには表示するウェブサイトにおいて自動的に Drumpf を Drumpf に変える拡張機能まで用意されています。

名前という魔法

トランプ氏の先祖が本当に Drumpf だったのか? それはもう情況証拠しか残っていませんのでよくわかりません。

伝記の26ページ付近を見ると、1608年にドイツ、マンハイム近郊のカルシュタットにハンス・ドランフなる人物が登場したものの、その後の三十年戦争の混乱でこの付近は徹底的に破壊されてしまいます。1649年頃には家族は名前を変え、ジョン・フィリップ・トランプなる人物がワイン農家として登録されているという記録があるそうです。

別に名前が変わるくらいはあたりまえの話なのですが、John Oliver が風刺たっぷりにこの点を、しかも400年も前のことに注目にしているのは理由があります。それだけ、トランプという名前が、メディア上で抗しがたい力をもった魔物になっているからです。

魔物を対峙する一つの方法、それはその名前を暴くことです。トランプはむかしはドランフだったんだよいうというのは、なるほど不公平な攻撃にみえますが、その半面トランプ氏はそこら中に自分の名前をつけたビルを建て、事業を作り、メディアも自分の名前だらけにしています。彼は名前が自分の強みだと知っているのです。

これから候補者指名がどうなるかはわかりませんが、連日のトランプ報道に私自身飽きていたのと、実際この名前のもたらす魔術的な抗しがたい力を感じてもいましたので拡張機能は入れてみました。

skitched-20160301-041859

うん、なんだか不思議ですが、とてもよい感じです。なにか、勝手に膨れ上がっていた黒い影が急速にしぼむような。そしてブランドイメージに影響をうけない、一人の人物のように見ることができます。

でも、トランプ氏の勢いは、イメージでもなんでもなく、現実です。トランプ氏の名前の表示を変えることができても、これから大統領選がどうなるのか、目を離すことはできそうにありません。

堀 正岳

堀 E. 正岳。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、Lifehacking.jpClimate+を運営しています。

著書に「理系のためのクラウド知的生産術」」(講談社ブルーバックス)、「Evernoteオールインワンガイド」(インプレス・共著)、「iPhone習慣術」(インプレス・共著)、「モレスキン 「伝説のノート」活用術」(ダイヤモンド・共著)、「情報ダイエット仕事術」(大和書房)

ブログ管理人:

Featured:

檜原村探訪2015

Travel