ライフ×メモ

アドビが目指すのはクリエイティブ・インフラなのか。アドビ主催の東京シティ競馬記者懇談会で考えた

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新製品の発表やイベントなど、何かにつけてお誘いくださるアドビさんから「大井競馬場に来ませんか?」という招待がありましたのでほいほいとでかけました。

アドビでなぜ大井競馬場なのかというと、この日は今年で4回目となる東京シティ競馬、TCKのアドビ賞のレースがあり、それにあわせてプレス向けの競馬観戦記者懇談会が開催されたからです。ふだんは記者のかたが出席されますが、今回はブロガー枠ということで出席。

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なんと大井競馬場の5階にある特別席に通していただけました。コースを一望できるテラスに、廊下に出ればすぐに馬券の券売機があります。20131127 DSC 5821

こちらがAdobe日本法人社長のクレイグ・ティーゲル氏。背景のコスモディクタットくんがいなければどこのIT系イベントだと言い張っても通りそうですが、まるで間違い探しのように可笑しいことになっています。

母国オーストラリアでは馬主でもあるというクレイグさん。とにかく陽気で、お話していてとてもくつろぐことができる方でした。

ご挨拶ではアドビがこの1年以上かけておこなってきたCreative Cloudというサブスクリプション型のサービス提供への大転換がおおむね好調であること、また日本で動画編集ツールとして Premier Pro がシェアでトップを獲得したことなどの話題がありました。この件についてはのちほど。

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さて、僕は今まで1度も馬券を買ったこともなければ競馬新聞の読み方も当然知りません。そんな人のために、今回は競馬解説者の長谷川雄啓さんが初心者向けの解説と本日の予想などをしてくださいました。

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ここで「そこの4人、こちらへ!」というので言われるがままついていくと外の観覧席です。なぜかコースの下をくぐる地下道を通り過ぎ…

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馬車です。こちら、スタークルージングという催しのためのものなのですが、今日はアドビ賞の表彰式にクレイグ・ティーゲル社長を乗せるために準備されており、そこにブロガー四名も同乗させていただけることになりました。

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おとなしい馬です。かわいい!

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というわけで、いったいなにが起こっているのかよくわからないまま馬車は動き出してコース上を馬車で表彰台へと向かいます。

こちらが馬車上からのツイキャス動画になります。ご観覧のファンのみなさま本当にすみません。浮かれていてなにを話しているかもよくわかっていません(笑)。

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表彰式のようすも間近で撮影させていただきました。いままで知識の上でしか知らなかったわけですが、競馬というのは本当にゲーム性が高くて奥深いものなんですね。

せっかく馬券の買い方について講義もうけたことですし、予想されていた馬をランダムに二頭ずつ選んで賭けたら当たって賭けた金額が倍になって返ってきました。ビギナーズラック!

本当によくわからないままにお誘いいただいたわけですが、とてもたのしい夜となりました。

クリエイティブ・インフラとしてのアドビ

そこで思うのは、なぜアドビで馬なのだろうという点です。アドビと馬との接点はどう考えても社長のクレイグ・ティーゲルさんが馬好きだという点しか思いつきません。

アドビのビジネスと競馬って、どこにも接点ないんですよ!ぜんぜん関係ない!ビタイチ関係ない!

でも、そこに金を出す。アドビさん最高です。

みたいもん! | 競馬という自社ビジネスに関係ないことに金を使うアドビという会社を200%見直した件 #adobetck

そう、しかしそれで充分なのかもしれません。先日やはりアドビのお誘いで鎌倉フォトウォークに参加して、Photoshopの伝道師ラッセル・ブラウンさん、Lightroomのエバンジェリスト、ジュリアン・コストさんにお会いしたときも、こんな遊び心がたくさんある催しでした。

LightroomやPhotoshopについて宣伝してほしい、というお誘いの仕方ではなく、本当に「鎌倉に写真撮りにおいでよ」という感じなんですね(笑)。

ラッセルとジュリアンは東京で行われた Create Now: Plus one dayにスチームパンクのコスプレで登場するわけですが、このためにプロのメーキャップアーティストも来日しているわけです。

この人たち、いったい遊びにどれだけ本気をだしているのだろう。

ジュリアンはイベントの一週間前から日本を旅して、ラッセルも各地をまわってこうした動画がまとめられるほどです。アドビという会社、思っていたよりも良い意味で「よくわからない」会社なんだなあ。

費用対効果を考えるとできないようなことにあっさりと取り組んでみるという社風が、アドビ本社にも、日本法人にもみなぎっているのかもしれません。

というのも、アドビが提供するのは Word や Excel などのように「使い方が想像できる」アプリケーションではないからです。Illustrator、Photoshop、Lightroom、InDesign、Flash、どれひとつとっても「想定を超える何か」を生み出すことで評価されるものです。

想定を超えるなにかは想定通りの手続きでは生まれないのが当然ですから、ラッセルやジュリアンの遊び心や、今回のアドビ記者懇談会のようなイベントもその線上で理解するのでよいのかもしれません。

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そして Creative Cloud のようなサブスクリプション・モデル。

当初「ユーザーを金銭的に囲い込む戦略だ」として強い批判をうけた大転換でしたが、1年たって考えてみるともう少し奥行きのある話に見えてきます。

Illustrator や Photoshop / Lightroom、InDesign というソフトウェアをみていても、その出口はウェブ、印刷された何か、電子書籍と多様です。Illustratorを単品で買う意味はずいぶんと薄れてしまったといってもいいでしょう。

一方でCreative Cloudは、提供されるものは単体のソフトウェアなのではなく、全てのアプリケーションであり、ワークフローの共有プラットフォームです。

パソコンでなにをするの? といわれたら、一方の答えは事務作業や受動的なウェブブラウジングといった用途ですが、それ意外はすべてクリエイティブななにかです。すべてのクリエイティブななにかを受け止める器、クリエイティブ・インフラが Creative Cloudなんですね。

言い方を変えると、IllustratorやPhotoshopだけでは生み出せない、想定を越える何かを生み出すための土壌を提供しているということでもいいでしょう。そのためにはユーザー全員が同じ最新のバージョンのソフトウェア群を使えなくては意味がないわけで、そうなるとサブスクリプション・モデルは当然の帰結ということになります。

考えたところで当然の結論に落ち着いたわけですが、来年以降この流れはもっと加速する方向にいきそうですね。

というわけで現在、12/2までのキャンペーンとしてPhotoshop CCとLightroom 5が月額1000円で使える「小Creative Cloud」ともいうべきキャンペーンが行われていますので、そこを入り口にして未来を体験してみるのもいいのかもしれません。

その前に、もう少し Lightroom の使い方に慣れなくては!

堀 正岳

堀 E. 正岳。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、Lifehacking.jpClimate+を運営しています。

著書に「理系のためのクラウド知的生産術」」(講談社ブルーバックス)、「Evernoteオールインワンガイド」(インプレス・共著)、「iPhone習慣術」(インプレス・共著)、「モレスキン 「伝説のノート」活用術」(ダイヤモンド・共著)、「情報ダイエット仕事術」(大和書房)

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